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平成29年・39週~カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症、麻しん~

今週の注目疾患   平成29年・39週(9月25日~10月1日)

【カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症】
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae;CRE)感染症は、2014 年 9 月 19 日より感染症法に基づく 5 類全数把握疾患に分類され、その届出数は年々増加している。
増加の原因は、サーベイランス開始に伴う検査法の導入・普及や情報の周知による影響も考えられる。
2017 年は第 39 週までに、県内医療機関から 62 例の CRE 感染症の届出を認め、分離菌種は Enterobacter aerogenes が 33 例と最も多く、次いで Enterobacter cloacae 19 例、Citrobacter freundii 4 例と続く(表 1)。

CRE 感染症において、地域における流行状況や当該耐性菌のカルバペネム耐性機序を把握するためには PCR 法等を用いて詳細な解析を実施する必要がある。
特にカルバペネマーゼ産生菌(carbapenemase-producing Enterobacteriaceae; CPE)は広域β-ラクタム剤に汎耐性を示し、また同時に他の複数の系統の薬剤にも耐性のことが多いため、臨床的に大きな問題である。
2017年 3 月 28 日には厚生労働省より CRE 感染症等に係る試験検査の実施についての通知が発出され、2017 年 4 月以降、現在までに 32 株(千葉市分除く)が県衛生研究所に搬入されている。
解析が終了した 26 株について、PCR 法と阻害剤を用いた検査により 7 株が CPE とされ、いずれもIMP 型メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)遺伝子を有していた。
その他のカルバペネマーゼ遺伝子(KPC、NDM や OXA-48 等)を有する株はなく、残る 19 株は non-CPE であった。
IMP 型 MBLの 7 株の菌種は、E. cloacae が 6 株、C. freundii が 1 株であった(表 2)。
IMP 型 MBL 遺伝子を持つ 7 株はいずれもメロペネムの最小発育阻止濃度(MIC)値が 2μg/ml 以上であったが、nonCPEの 19 株はメロペネムの MIC が 2μg/ml 未満の株も多く、また本邦で比較的分離される IMP-6 MBL 産生菌はイミペネムに感性と判定されることもあり、CPE の検出にはメロペネムが感度、特異度ともに最も優れていると考えられる。
CRE と判定された株が分離された場合、それが CPE かどうか確認することが求められ、また同時に院内感染によるものか、周囲への拡散させるリスクについての評価をすることが重要である。
平時より接触感染対策、手指衛生や環境消毒を励行し、スタッフ間の情報を密にしながら発生時には必要に応じて積極的保菌調査、患者の隔離・コホーティングやスタッフのコホーティングといった対策が求められる。

【麻しん】
2017 年第 39 週に印旛保健所管内の県内医療機関から 1 例の麻しんの届出があった。
患者は 26歳・女性でワクチン接種歴はなく、また潜伏期間中に国外渡航歴はないため国内での感染が推察されるが感染源は不明である。
全国では第 37、38 週に麻しんの届出はない。
当該患者は 9 月 26日に発症、29 日に医療機関で麻しんと診断された。
典型的な麻しんの潜伏期間は 10~12 日であり、当該患者の発症日を勘案すると、10 月 5 日(木)から 10 月 11 日(水)までの間に当該患者を起点とした二次感染者が発生する恐れがある。
発熱や発疹を呈する患者を診察した際は、常に麻しんの可能性について考慮いただくようお願いします。また、麻しん含有ワクチン接種の啓発に引き続きご協力をお願いいたします。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年10月4日更新)
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